SCORM1.2 マニフェストファイルの役割

コースウェアは、SCO(アセット)の集合から構成されます。これらの学習リソースは、章立てとなる目次や階層情報を持たないため、これだけでは、コースウェアとして成り立ちません。構造化した設計図となるものが必要です。

この役割を担うのが、マニフェストファイルです。

マニフェストファイルの役割

マニフェストファイルは、大きく2つの役割を持ちます。

  • コンテンツモデル(目次)の構造を定義する
  • コンテンツモデルに対応した、学習リソース(SCO、アセット)のファイルパスを定義する

この情報をLMSに伝えることで、目次を表示させたり、学習項目を選択したら、対応するSCO(アセット)を起動させることができるようになります。

マニフェストファイルの構造

マニフェストファイルは、XMLで記述します。学習項目が1つだけの、マニフェストは、次のように書くことができます。

マニフェストファイルのファイル名は必ず、imsmanifest.xml にします。ここで注目したいところは、カラー枠の部分です。マニフェストファイルの構造は、<organizations> と <resources> に分かれます。

organizations
コンテンツモデルを定義します。ここで、コースウェアの目次を作り、コースウェア名称、学習項目、階層構造などを定義します。item要素を入れ子にすることで、章節項といった階層構造を作ることもできます。

resources
コースウェアで利用するファイルを定義します。<resource href="sco01.html">は、学習項目が選択されたときに、起動するファイルです。ほかに利用されるファイルは、<file href>に記載します。


organizationsとresourcesは、独立しています。そのため、対応付けをしなければ、項目を選択しても、どのファイルを起動していいのか分りません。その役割を担うのが、identifierrefとidentifierの値です。同じ値(res-1)にすることで、一致する学習リソースのファイル(sco01.html)を起動します。

また、複数の学習項目を作り、参照先をすべて同じidentifier(同じファイル)にすることもできます。このサンプルはシンプルなものですが、複雑な記述をすることで、さまざまな制御を加えることもできます。

ちなみに、スキーマ定義というのは、マニフェストのXML構造を定義した仕様書みたいなものです。XML文章を解釈するエディタなどは、スキーマの内容を参照して、記述したXML文章の妥当性をチェックすることができます。それで、事前にエラーがないか確認することができます。LMSもスキーマを参照しているものがあるかもしれません。

RELOAD Editor

XML文章を手書きで書くことは、比較的 手間が掛かる作業です、オープンソースのRELOAD Editorというソフトを利用すると、比較的簡単に記述することができます。また、日本語化のパッチも有志の方で行われ、ある程度日本語化されます。
ソースコードに直接埋め込まれている文言は、英語のままのようです。
RELOAD Editorには、Eclipseをベースにしたものと、しないClassic版があります。好みで利用するといいでしょう。


Eclipse版 RELOAD Editor

RELOAD Editor
http://www.reload.ac.uk/

The Classic RELOAD Editor 日本語化
http://sourceforge.jp/projects/reloadeditor-jp/