SCORM1.2 ランタイム環境の概要

ランタイム環境

ランタイム環境は、学習コンテンツとLMSとの間で行われる処理に関する内容です。
次の3つから構成されます。

  • 学習コンテンツの起動の仕方
  • SCOとLMSとの間でのデータ送受信の仕方 APIの利用
  • データ送受信で利用される、データモデル要素の提供

LMSは、学習コンテンツを起動するとき、コンテンツアグリケーションモデルのマニフェストファイルに記述されるURLを参照します。

学習コンテンツは、SCOなのかアセットなのかで大きく処理が変わります。SCOの場合、LMS(具体的には、APIアダプタ)に対して、APIを利用して情報の送受信を行うことができます。そのなかで、どのような情報を伝えることができるかを定義したものが、データモデル要素です。

データモデル要素には、学習時間や学習完了などに関する情報が定義されています。そういった要素を組み合わせて、必要な処理を組み立てていきます。

アセットの場合は、そもそもLMSに対してデータの送受信はできません。ブラウザに表示するだけです。※ただしLMS側は、何もデータ送信しない学習コンテンツは、デフォルトの挙動で学習完了などのフラグが立ちます。

このような処理は、次のように表現することができます。おそらく気になるところは、APIアダプタからLMSに対してのデータ送受信でしょうか。この部分は、SCORMでは規定されておらず、LMSの独自仕様として自由に実装することができます。そのため、この部分は、コンテンツ制作者は気にする必要はありません。APIアダプタは、SCOに対してインターフェースの役割をもち、コンテンツ制作者は、APIアダプタとのやりとりだけを考えればいいわけです。

例えば、データモデル要素として仮に○○という情報を、LMSに送信する場合、APIの規定としてLMSSetValueというメソッドを利用します。この引数にデータモデル要素を渡します。SCOから、APIアダプタに渡された○○は、LMSにバトンタッチされていきます。

このように、ランタイム環境は、学習コンテンツの起動からデータの送受信といった一連の動作に関する内容が規定されています。