第2レイヤー : すべての学習体験の記録 (インフォーマル・ラーニング)

 あなたの学習体験の何パーセントが、フォーマル・ラーニングで行われたものでしょうか?そして、そのうちの何パーセントがeラーニングだったでしょうか? おそらく、多くはないでしょう。

 何か知識を付けたいと思うとき、あなたならどうしますか?。それに合ったコンピュータベースのトレーニングを求めてLMSを利用しますか? きっと、そんなことはしないでしょう。

 Google、Youtube、Twitterを利用したり、または同僚に聞くこともあるでしょう。もしかしたら、講座受講の申し込みをするかもしれません。私たちはトラッキング可能な学習体験というと、なぜフォーマルなeラーニングコースを想像して狭めてしまうのでしょう?

 Tin Canならそれらすべてを変えることができます。学習はどこでも出来ますし、多くのシステムが理解できる方法でトラッキングすることができます。あなたが今、このページを読んでいることも、とても意味のある学習体験です。Tin Canを用いれば、その体験を記録することができます。

 カーンアカデミーのビデオを視聴することも学習体験になります。Tin Canを利用すれば、その体験をトラッキングすることができます。ある会議のセッションに参加することも学習体験であり、Tin Canを利用すれば、それもトラッキングできます。

ソーシャルネットワークにアドバイスを求めること ・・・ Tin Can APIのアクティビティになります。
専門家から助言を受けること ・・・
宿題を提出すること ・・・
誰かのメンターになること ・・・
ブログに記事を投稿すること ・・・
授業に出ること ・・・
本を読むこと ・・・

 私たちは、毎日さまざまなことをしますが、それは学習体験となります。Tin Canでは、それらをトラッキングすることができます。

 Tin Canがあれば私たちは、個人の学習体験の全体像を作り出すことができます。これは現実の世界では、どのように見えるでしょう? LMSを使わずに、人々の活動を効果的にトラッキングするには、どうしたらしたらいいでしょうか。私たちは、まだこの問いに対するすべての答えは持っていません。Tin Canは、まだ未成熟ですが、面白いアイデアや、初期段階としての利用法を持っています。

 Tappestryを見てみてください、このモバイルアプリは「学習したことを登録する」というもので、Tin Can LRSに記録されます。


 Tin Can bookmarketというものがあります。それは、「I Learned This」(これを学びました)ボタンをブラウザのツールバーに搭載し、ウェブサイトをブラウジングしている間に見つけた関連学習項目を記録することができます。

 book scanner app(Android)をダウンロードしてみてください。これは、ちょうど読み終わった本のバーコードをスキャンして、学習体験として記録します。

 学習体験のデータを受動的に取り込む方法は、まだまだたくさんあります。

想像してみてください

  • 出席のTin Canステートメントで作るコンファレンスセッションの登録システム
  • Google Calendarの「学習イベント記録」ボタンは、イベントに招待される人全員にステートメントする
  • 知識習得を発言したり、関連スレッドでアクティビティに基づいた共有を体験する企業イントラネットのディスカッションボード

 これらはまだ始まりにすぎません。私たちは電子機器が生活に溶け込んだ世界で生きています。これらのシステムを使えば、私たちの学習体験すべてを補足することができます(それを望むならば、ですが。ただし多くのセキュリティーとプライバシーにかかわる問題があり、学習体験をトラッキングすることの価値と秤に掛ける必要があります。ですがこれは、また別の記事で。)

 Tin Can APIが持つ機能には、いくつか重要な革新性があり、以下のインフォーマルな学習体験をトラッキングできます。

  • LRSは、事前にアクティビティを認識させておく必要がありません。SCORMでは、コンテンツを配信してトラッキング可能にするには、あらかじめLMSにコンテンツをインポートして登録しなければなりません。これでは、LMS管理者が事前に登録したeラーニングコンテンツしかトラッキングできません。つまり、それは私たちの学習体験のごく一部でしかないのです。Tin Canなら、最新のカーンアカデミービデオがリリースしたら同時にトラッキング可能な学習イベントになります。
  • トラッキングされる学習体験の配信元は、LMSである必要はありません。SCORMでは、学習体験をトラッキングする唯一の方法は、LMSにログインして、事前に選択するeラーニングコースが登録してある状態で、LMSから、そのコースを起動します。Tin Canでは、学習体験を始めるのに時間や場所は問いません、すべてトラッキング可能です。洞察力の深い TED Talkの視聴を終えたら、“I Learned This”(これを学びました)のbookmarkletをクリックすると、あなたの学習体験はすぐに記録されます。
  • 学習体験のコンテンツとデータレポートは、今では分かれます。SCORMでは「学習体験の結果レポート」は、常にその体験そのものからレポートされなければならず、SCOは、教育的なコンテンツと学習体験のデータレポートという両方の機能を兼ね備えていました。コンテンツはスマートである必要がありますが、意識的にSCORMの機能を有効にするために加工しなければなりませんでした。Tin Canは、学習体験そのものがデータレポートを行う制約を取り除きます。

 どうですか、いいでしょう?
 インフォーマルラーニングをトラッキングすることは大きなパズルのピースを埋めていくようなものです。個人の学習体験の詳細な記録は、成功を大いに予兆するもので、レディネス(準備ができている状態)を評価するカギとなる要素となりえます。

この第2レイヤー自体は、私たちの産業の非常に大きな前進の一歩を象徴するでしょう。しかしもちろん、さらにあります・・・

※ この記事は、CC BY 3.0のもと、tincanapi.com のLayer 2: Record Any Learning Experience (Informal Learning)を翻訳したものです。意訳のため正確さを求める場合、原文を読んでください。
(原文) http://tincanapi.com/layer-2-record-any-learning-experience-informal-learning/