SCORM1.2概要

SCORM1.2 学習状態 lesson_statusを理解する

学習者の学習状況は、cmi.core.lesson_status の値によって決定されます。
lesson_status の値は、の6つの状態(not attempted、incomplete、completed、passed、failed、browsed)があります。SCOの起動から終了までのフローを示すと、次のような感じになります。

lesson_status の学習状態は、大きく2つのグループに分類されます。

  • 学習進捗(進行)を示す、incomplete、completed
  • 学習理解を示す、passed、failed

SCORM2004では、進捗(進行)と理解はcmi.completion_status、cmi.success_status の2つに分離され組み合わせにより状態のバリエーションが増えますが、SCORM1.2では、cmi.core.lesson_status 1つでやりくりしていきます。

ここでは、フローの流れと状態の意味を掴んでください。

not attempted

SCOが起動するときセットされる初期値で、LMS側で自動的にセットされます。学習判断をする値ではありません。

incomplete

学習進行が未完了であることを示し、「学習中(学習途中)」と解釈されることがあります。
コンテンツ制作者は、SCOのInitialize処理後、incompleteをセットすることで、学習が進行していることを表現します。

completed

学習進行が完了(終了)したことを示します。
必要な画面遷移など一通り終えたと判断する地点で completed をセットします。学習者の理解度を計るものではないため completed がセットされる状態まで辿り着けるかどうかが問題で、最後までやったかどうかを判断するものです。

passed

学習を理解した、合格であることを示します。
テストの採点結果などを元にして、合格・不合格状態を決定します。

failed

学習を理解していない、不合格であることを示します。
テストの採点結果などを元にして、合格・不合格状態を決定します。

browsed

LMSが閲覧モードのとき、セットされる値です。
LMSが、LMS-RTE3であっても、browsedが省かれているものもあり、また無くても問題ないので、ほとんど利用されていないと思います。

未分類

eラーニングの過去をふりかえる

6/15(土)ナレッジコモンズさん主催の「Eラーニングあれやこれや」と題した勉強会に出席させていただき、スピーカーとして60分ほど、お話させていただきました。参加されている方は、eラーニングをキーワードに、専門のeラーニング屋さんから、大学院生など15名ぐらいで。これからのラーニングをなんとかしたいと志が高い方が、参加されていました。特徴的なのが、企業の看板を背負っての参加ではなく、個人参加ですので気軽に参加できるところが特徴でしょう。

ちなみに、遊びのつもりで引き受けたので、無報酬のつもりでしたが、台湾のお茶葉を頂きました(美味しくいただきました)。5、6人程度の集まりかと思ったら、どんどん多くなって焦りました。

今回、私は、お題を頂き「eラーニングの過去をふりかえる」についてお話いたしました。昔のeラーニングは、こうだったよ。ということを1995年あたりから、イノベーションの変化と共に変わってきたことを説明して、2003年からeラーニングは低迷しはじめるなど、企業の立場ならお話できないことをたくさんさせて頂きました(笑)

意外だったことに、昔のeラーニングがどういうものだったのか知らない方が多く、発想は10年以上前から何も変わっていないことに驚かれる方もおりました。

eラーニングは、なにかとイノベーションやトレンドに流されることが多いのですが、これからどうしたらいいのか、いろいろ考える必要があるのでしょう。

話しているところ。

ELECOA

ELECOA/SCORMの成績表を表示する

ELCOAのMoodleプラグインを利用してSCORMコンテンツを動かすと、ELCOAの成績機能を利用することができます。ここでは成績画面を表示してみましょう。

Moodleプラグインをインストールした状態では、成績機能は、まだ画面上に表示されていません。ぱっと見、どこにあるか分からない状態ですが、「ナビゲーション」からELECOAで登録したSCORMのコースを選択した状態で「ブロックの追加」を行うと表示されます。ここでは、「サンプルコース」を選択します。

「ブロックの追加」にメニューの中にある「ELECOA/SCORM成績表」を選択すると成績表のブロックが画面上に追加されます。

「成績表を開く」を選択すると、ELECOAの成績一覧の画面になります。ここでは受講したユーザーが一覧されます。

特定の「詳細」を選択すると、何回実施したのか、トラッキングの完了状態や合否などを確認することができます。

さらに「詳細」を進むと、データモデル要素のトラッキング情報を確認することができます。

このように比較的、細かく確認できるので便利だと思います。

SCORMコンテンツをMoodleで動かすとき、Moodle標準のSCORMを利用するか、ELECOAが良いかは、なんとも言えませんが、継続的にELECOAの開発が続く場合は、ELECOAが有利になるかもしれませんが、どうでしょう。

ELECOA

Moolde上でELECOAを利用してSCORMコンテンツを動かす

SCORM1.2、2004のコンテンツを動かしてみる

ここで実際に、コンテンツが動作するか見てみましょう。コース設定の画面で、「フォーマット」の欄に通常の「SCORMフォーマット」のほかに「ELECOA/SCORMフォーマット」という項目が増えています。選択すると、ELECOAで動作するようになります。

ここからは、MoodleのSCORMコンテンツの登録と同じで、パッケージの追加、登録ユーザーを設定します。

コンテンツを起動すると、Moodleの標準SCORMとは違う画面レイアウトで動作していることが分かります。

SCORM1.2コンテンツ

SCORM2004コンテンツ

ELECOAでSCORM2004を動かすとき、注意するところとしてルート(中間ノード)にシーケンシングのControl ModeをTrueに設定する必要があります。設定がない場合、「An unexpected error occurred」というエラーが発生して動作しません。(ちょっと私ここでひっかかりました)

これは、SCORM2004のControl ModeはデフォルトでFalseであり、Falseの場合、初めに表示する開始ページが設定されていないことになります。このあたりは、LMSによって動作が違うようで、空白ページを表示するものや、LMSが善意で?開始ページを自動的に表示するものがあります。

起動に失敗した例

ELECOA

ELECOA Mooldeプラグインをインストールする

MoodleにELECOAのMoodleプラグインをインストールして動かしてみましょう。ELECOAは、SCORMコンテンツをMoodle上で実行することができるプラグインです。主な機能は3つあり。

  • SCORM1.2サポート
  • SCORM2004 3rdサポート
  • トラッキングによる成績表・ログ出力

というように、SCORM1.2、2004のコンテンツを動かすことができます。Moodleは、標準でもSCORM1.2に対応して、2004もある程度動作しますが、ELECOAはSCORM2004 3rdに対応していること、トラッキングによる成績表やログ出力も付いているため、Moodleの標準SCORMより使いやすいことがあります。

ここではWindowsにMoodleをインストールした環境で、Moodleプラグインを動かしてみます。

ELECOAプラグインのダウンロード

ELECOAのサイトから、MoodleプラグインのZIPファイルをダウンロードします。解凍して、Moodleのルートディレクトリに解凍したmoodle_elecoaフォルダ内の「blocks」「course」「mod」フォルダをそのままコピーして上書きします。

管理メニューで「サイト管理」>「通知」 を選択すると、プラグインが検出されます。また、Moodleにログインしていない状態では、ログインするとプラグインが検出されます。

Linuxなどは、moodle_elecoaフォルダ内のファイルに、PHPが実行できるようにアクセス権限が付いてないと、検出されませんので注意してください。

「Moodleデータベースを更新する」ボタンをクリックして、プラグインをインストールします。

これでプラグインのインストールは完了しました。簡単ですね。

moodle

Moodle2.3 SCORM1.2 SCORM2004 HelloWorldコンテンツの起動

Moodleで、SCORM1.2、2004のコンテンツが動作するか確認してみましょう。ここでは、簡単なコンテンツ(HelloWorldコンテンツ)を動作させるところまでを見てみます。

SCORM HelloWorldコンテンツの動作

  • 「HelloWorld」の文字列を表示する。
  • SCOが起動したとき得られる、Initializeの戻り値を表示する。

HelloWorldを表示しただけでは、ぱっとみアセットと区別が付かない(面白くない)ため、Initializeの戻り値を取得します、これにより、ランタイム環境に接続できたかどうかが確認できます。

サンプルコンテンツ ダウンロード
SCORM12_HelloWorld.zip
SCORM2004_HelloWorld.zip


コースを設定する

Moodleでは、コンテンツを登録するとき、まずコースを定義して、その中に学習コンテンツを登録します。
「新しいコースを追加する」を選択します。

そうすると「コース設定を編集する」という画面に変わります。ここでは、とりあえず最小限に、学習コンテンツをデフォルトの「Miscellaneous」カテゴリに設定して、「コース名」「コース省略名」「フォーマット」を設定します。ここで、「フォーマット」は、SCORMフォーマットを指定します。ちなみに、Miscellaneousは、「雑多」という意味ですが、未カテゴリと解釈するといいかもしれません。

「変更を保存する」を選択すると、次に学習コンテンツを実行できるユーザを登録します。「ユーザを登録する」ボタンをクリックして、ユーザを選択します。

これで、コースの設定、コースを実行できるユーザの設定ができました。

学習コンテンツを登録する

次に学習コンテンツを登録するには、コースを選択します。(「サンプルコース」を選択)

「新しいSCORMパッケージの追加」画面で、コンテンツの名称(SCORM1.2 HelloWorld)、説明、そしてパッケージファイルを登録します。

「保存して表示する」ボタンを選択すると、画面が切り替わり、「問題に入る」から、コンテンツの開始ができます。

SCORMの学習コンテンツは、このような形で表示されます。このコンテンツは、Initializeの値が、trueと表示される場合、きちんとSCOとしてLMSと通信ができていることを示しています。falseや空白の場合は、失敗しています。(例えば、LMSに載せず、ファイルをブラウザにそのまま表示させるとfalseとなります。)

同様に、SCORM2004のコンテンツも登録してみましょう。コンテンツを追加するには、左側のナビゲーションの「サイト管理」から「コース」>「コースを追加編集する」を選択して、「新しいコースを追加する」ボタンから同様に登録することができます。1つ目の登録では、なにもコースが登録されていなかったため、画面上に「親切に」コース追加のボタンが表示されていた感じでしょうか。

この程度のSCORM2004コンテンツなら、問題なく動作します。

(参考) ILIAS4.2.1 SCORM1.2、2004 HelloWorldコンテンツの起動
MoodleとILIASでどう違うかみてみてください。
moodle

Web Platform Installerを利用したMoodleのインストール その3

WebMatrixでデータベースを操作する

WebMatrixを利用すると、ちょっとしたメリットとして、データベースの管理も行うことができます。よくブラウザベースのphpMyAdminが利用されますが、WebMatrixでも簡単な操作は可能です。ウィンドウ左下に「データベース」ボタンをクリックすると、データーベースのツリービューが表示されます。

「Moodle」を選択すると、Moodleで利用されているテーブルがすべて表示されます。

ここで1つ、moodle.mdl.userテーブルを開いてみましょう。選択して右クリックでテーブルが表示されます。

クエリーの発行もすることができます。「ホーム」タブから「新しいクエリ」ボタンを選択します。

たとえば、下記のようなSQLを書いて、「実行」ボタンを押すと、抽出することができます。

select * from moodle.mdl_user
where username = ‘admin’;

CSVからデータのインポートなどの機能は付いていませんが、クエリを発行できることから、通常ほとんど事足りると思います。

Web Platform Installerを利用して、Moodleをインストールすることは、レア?なケースだと思いますが、いかがでしたでしょうか。WebMatrixは、設定次第では、本番環境のWindows Serverと組み合わせて、利用することもできるようです。意外と使えるツールだと思います。

moodle

Web Platform Installerを利用したMoodleのインストール その2

その1の続きです、ここでは、Moodleの設定を行います。

moodleの設定

前回は、moodle インストールの初期画面まで進みました。「Continue」をクリックすると、正常にインストールできるかチェックが動作します。

moodleの初期画面

ここで、1つphp_extensionのintlがひっかかりました。intlは、PHPのサイトをマルチリンガル化するときに利用される、国際化関数です。

リンクをクリックすると、どうすれば良いか、書いてあるので、これに従って、修正を加えます。下記の3行の記述が、php.iniファイルに設定されているか確認します。

extention=php_intl.dll
intl.default_locale = en_utf8
intl.error_level = E_WARNING

php.iniファイルは、下記ディレクトリにあります。
C:\Program Files\IIS Express\PHP\v5.3\
拡張子が、非表示で分かりづらい場合は、表示状態にすると、すぐ分かると思います。

ファイルを開き、[Ctrl]+F intlで文字検索をかけると、該当する記述がありますが、セミコロンで注釈扱いになっています。そのため、動作しなかったようです。ここでは、赤枠の2行を付け足します。セミコロンを取って書き換えても構いません。

もうひとつ、ExtentionListに登録されているか確認してみると、記述がないため、付け足し保存を行います。もしファイルを保存する権限がない場合は、書き込み権限を設定してください。

ブラウザに戻り、再読込みをすると、ステータスがすべてOKになりました。

インストールが始まり「Continue」で進めていきます。

Installationで、adminのパスワード、サイト名称などを設定します。

Full site name でサイト名称、そしてShort name for site で短縮名称を設定して、保存します。

保存すると、管理者モードでMoodleにログインした状態でサイトが表示されます。きちんと、サイト名称が表示されています。ただ英語モードになっているため、日本語で表示されるように設定を少し調整します。

左側の「Settings」のメニューにある、「Site administration」から、「Language Packs」を選択します。そして、「List of available languages」から「日本語」選択して「Install selected language pack」を押します。そうするとインストールされて、「Installed language packs」に日本語(ja)が表示されます。

日本語(ja)が追加されました。

日本語パックが入ったので、次にやることは、Language Settingsを選択して、サイトのデフォルト言語を英語から日本語に変更します。デフォルト言語は、新規アカウント追加や未ログイン状態で、設定される言語になります。

ログアウトすると日本語になります。

ただ、adminでログインすると、英語になっています。これは、adminのアカウントで使用する言語が、英語のままになっているためです。個人の言語を設定するには、「Settings」から「My profile settings」の「Edit profile」を選択します。

そのなかの、「Preferred language」の設定を英語から日本語に設定します。

これで、日本語がちゃんと表示されました。サイト全体のデフォルトの言語設定とユーザーごとのプロファイルの言語設定、2つあることに注意してくだい。ちなみに、右上のプルダウンで変更できる言語設定は一時的に変更したいときに使用するもので、ログアウトすると元に戻ります。

これでMoodleのインストールができました。

moodle

Web Platform Installerを利用したMoodleのインストール その1

Moodleとは

Moodle(ムードル)は、1999年にオーストラリアのMartin Dougiamas(マーチン ドウギアマス)氏により、開発されたオープンソースLMSです。現在、Moodle Pty Ltd(Moodle Headquarters)とコミュニティにより支えられ、もっともよく利用されているLMSの1つです。Moodleの特徴は、コミュニティの規模が、ほかのオープンソースLMSと比べ大きく、国内でも導入サポートを行う企業も存在し、大学などでよく利用されています。オープンソースLMSを探している方は、とりあえずMoodleを試されてみると良いかもしれません。

SCORMは、SCORM1.2に対応して、2004は、まだ完全ではないようですが、ELECOAなど、プラグインとして、SCORM2004に対応するモジュールが存在するため、インストールすることで、動作させることができます。

インストール

ここでは、検証・開発を目的として、Web Platform Installer3.0を利用して、Moodleのインストールを行ってみましょう。WebMatrix上(IIS Express、MySQL)でMoodleを動かしてみます。

Moodleのサイトでは、Web Platform Installerよりもっとお手軽な、Moodle packages for Windowsというパッケージがあります。この場合は、Apache、MySQLの組み合わせとなります。

ダウンロード

http://www.microsoft.com/web/downloads/v3/platform.aspx から、Web Platform Installerをダウンロードします。

ダウンロードしたら、アプリケーションを起動して、右上の検索フォームに moodle と入力して検索をかけます。

そうすると、英語版のMoodle2.3がヒットします(2012/8/5現在)。「追加」ボタンを選択して、「インストール」を行います。リリース時期によって、配布されるバージョンは異なると思います。

データベースは、MySQLしか選択できません。「コンピューターにインストールします。」そのままの設定で、「続行」します。

「同意する」を選択します。

MySQLのrootアカウントに対する、パスワードを設定します。

アプリケーションのダウンロードとインストールが開始されます。しばらく時間がかかります。

アプリケーション情報の入力を行います。データベースは「新しいデータべーすの作成」を選択して、データベース管理者のパスワード、データベースパスワードを設定します。そして、passwordsaltには、40文字以上の適当な文字を入力します。

入力して「続行」するとインストールが続きます。

これで一通り、インストールが完了いたしました。「起動」をクリックすると、WebMatrixが起動します。

URLの表示部分 この場合 http://localhost:56897 をクリックするとブラウザが起動してmoodleの初期画面が表示されます。WebMatrixを起動した直後、moodleの起動準備が動作しているため、準備が終わるまで、待ってください。いきなり、起動させるとエラーになります。


moodleの初期画面

TinCanAPI 翻訳資料

Tin Can API 0.9 (REST + JSON binding) クライアント クイックスタート

tincanapi.com で公開されている、Quickstart Guide 「Tin Can API 0.9 (REST + JSON binding) Client Quick Start」 を翻訳いたしました。ご参考程度にどうぞ。