第4レイヤー : トレーニングに相関するジョプ・パフォーマンス

 Tin Can APIは、アクティビティストリームと呼ばれる仕様をベースにしています。これは、GoogleやFacebook、Microsoft、IBMなどの企業により形成された、ソーシャル・ネットワーク上のアクティビティの記録に用いられるフォーマットです。

 アクティビティストリームは人の行動をすべて記録することができます。Tin Can APIは、学習体験を収集しやすいように、アクティビティストリームの仕様を拡張したものです。 Tin Canステートメントの中心的なオブジェクト Actor、Verb、Object(“I Did This”(私はこれをやりました))というものは、中核をなすアクティビティストリームの仕様から由来しています。

 Facebookのウォールを見ると、そこにはアクティビティストリームの一連のステートメント(だれそれが何をした)があります。例を挙げてみると。

  • 「マイクは写真を投稿した」
  • 「ティムはマイクの写真にコメントをつけた」
  • 「ベスがマイクの写真について「いいね」を付けた」

 アクティビティストリームは、ソーシャルネットワーク、企業の双方で、人々のアクティビティを収集する方法として注目を集めています。言い換えるなら、実際 仕事のパフォーマンスデータとトレーニングデータは同一に収束していきます。私たちは、学習体験のデータ収集に、企業がそのほかの体験を収集する手段と同じやり方を用いています。これは大きな強みです。

 アクティビティストリームの例を挙げてみると。

  • 看護師ジュディーは、eラーニングモジュールの「CPR(心肺蘇生法)の原則」を修了しました。
  • 看護師ジュディーは、ダミーを使い、心肺蘇生のシミュレーションを修了しました。
  • 看護師ジュディーは、12回中9回の心肺蘇生に成功しました。

 これらのストリームを企業間で、もしくは産業界全体で収集を開始することで、どのようなトレーニングパスが最も良い結果を生み出すかを見極めることができます。言い換えるなら、もっとも問題のあるトレーニングパスを見極めることができるのです。現在、トレーニングプログラムの有効性を決定し ROIの効果測定を行うことができるのです。

そのほか考慮すべき含み

  • Yammerのような内部ソーシャルネットワークからのアクティビティストリームとTin Canのアクティビティストリームを組合わせると、どうなるでしょう?学習体験と同僚との会話を基にして、私たちは組織内で専門家を見つけることができます。
  • 組織でもっとも成功したパフォーマのアクティビティストリームを見て、若手社員が見習うべきモデルとして、それらを活用することができるでしょうか?逆に、失敗した人が辿ってきた道を危険信号として見ることができるでしょうか。

 これらのビジョンが完全に達成されるには長い道のりが必要でしょう。Tin Canはその実現に必要な基礎をレイアウトして、制約を取り除こうとしています。

 しかし、もちろんそれだけではありません。まだ他に何ができるのか誰も気付いていないだけです!Tin Can APIは大きな新しい可能性を切り拓きつつあります。eラーニングを画期的に変えてくれることは間違いありません。5年後にどうなっているかは誰にも予想できませんが、楽しい旅になるのは間違いありません。一緒に歩んで行きましょう。

※ この記事は、CC BY 3.0のもと、tincanapi.com のLayer 4: Correlate Job Performance with Trainingを翻訳したものです。意訳のため正確さを求める場合、原文を読んでください。
(原文) http://tincanapi.com/layer-4-correlate-job-performance-with-training/