SCORM1.2 データモデル要素一覧

SCORM1.2 ランタイム環境のデータモデル要素は、49個あります。LMSGetValue()、LMSSetValue()の引数として利用します。

SCORM1.2は、LMSに対して3つの適合性カテゴリ(LMS-RTE1, LMS-RTE2, LMS-RTE3)というものがあります。これは、データモデル要素がどのくらいLMSに実装されているか分類したものです。

  • LMS-RTE1 : LMSは、必須条件のデータモデル要素をすべて実装している
  • LMS-RTE2 : LMSは、必須条件および、1つ以上、オプションのデータモデル要素を実装している
  • LMS-RTE3 : LMSは、必須条件および、オプションのデータモデル要素をすべての実装している

必須およびオプションのデータモデル要素を1つでも実装すれば、LMSは、LMS-RTE2となります。

No
実装条件
データモデル要素
1
必須
cmi.core._children
LMSがサポートするcmi.core要素のリストを取得する
必須
cmi.core.student_id
学習者のIDを取得する
必須
cmi.core.student_name
学習者の氏名を取得する
必須
cmi.core.lesson_location
SCOを終了時、現在の位置から、再度、学習開始できるように、現在のSCOの位置を登録
学習再開時、終了時のSCOの位置から学習を始められるように、SCO終了時の位置を取得する
必須
cmi.core.credit
履修記録が上書き可能(credit)か不可能(no-credit)か、状態を取得する
必須
cmi.core.lesson_status
学習状況のステータスの登録 / 取得する
必須
cmi.core.entry
現在のSCOが、初回受講か中断から再開したものか、すでに完了しているか、状態を取得する
必須
cmi.core.score._children
LMSがサポートするcmi.core.score要素のリストを取得する
必須
cmi.core.score.raw
学習者の得点を登録 / 取得する
10
必須
cmi.core.total_time
個別のSCOで費やした学習時間の総計を取得する
11
必須
cmi.core.exit
SCOを終了するときの理由を登録 (タイムアウト、一時中断、ログアウト、正常終了)
12
必須
cmi.core.session_time
1つのSCOに費やした学習時間を登録
13
必須
cmi.suspend_data
SCOごとに学習再開時必要となる情報を登録
学習再開時、登録した情報を取得する
14
必須
cmi.launch_data
SCOの起動時にマニフェストファイル内の<adlcp:datafromlms>要素を取得する


No
実装条件
データモデル要素
15
オプション
cmi.core.score.max
最高得点の設定を登録 / 取得する
16
オプション
cmi.core.score.min
最低得点の設定を登録 / 取得する
17
オプション
cmi.core.lesson_mode
SCOの動作モードの取得する
18
オプション
cmi.comments
学習者が記述したコメント(文字列)を登録 / 取得する
19
オプション
cmi.comments_from_lms
LMSからのコメントや注釈を取得する ( ”” 空文字が多い)
20
オプション
cmi.objectives._children
LMSがサポートするcmi.objectives要素のリストを取得する
21
オプション
cmi.objectives._count
LMSが保持している現在の学習目標の数を取得する
22
オプション
cmi.objectives.n.id
n番目のSCOの学習目標の識別子を設定 / 取得する
23
オプション
cmi.objectives.n.score._children
n番目のSCOが使用しているcmi.objectives.n.score要素のリストを取得する
24
オプション
cmi.objectives.n.score.raw
n番目のSCOの学習目標に対する学習者の素点を設定 / 取得する
25
オプション
cmi.objectives.n.score.max
n番目のSCOの学習目標の最高得点を設定 / 取得する
26
オプション
cmi.objectives.n.score.min
n番目のSCOの学習目標の最低得点を設定 / 取得する
27
オプション
cmi.objectives.n.status
n番目のSCOの学習目標の試行後の状態(合格、完了、不合格、未完了、未実施、閲覧済み)を登録 / 取得する
28
オプション
cmi.student_data._children
LMSがサポートするcmi.student_data要素のリストを取得する
29
オプション
cmi.student_data.mastery_score
lesson_statusの状態を完了 / 習得に変更するために必要な合格得点<adlcp:masteryScore>を取得する
30
オプション
cmi.student_data.max_time_allowed
SCOに設定された制限時間を取得する
31
オプション
cmi.student_data.time_limit_action
制限時間を越えた場合、SCOを終了 / 継続させるか、メッセージを表示するか動作<adlcp:timelimitaction>を取得する 
32
オプション
cmi.student_preference._children
LMSがサポートするcmi.student_preference要素のリストを取得する
33
オプション
cmi.student_preference.audio
音量を制御するために音量値の設定 / 取得する
34
オプション
cmi.student_preference.language
SCOが多言語で作成された場合、言語の設定 / 取得する
35
オプション
cmi.student_preference.speed
コンテンツの表示速度の値を設定 / 取得する
36
オプション
cmi.student_preference.text
ナレーション(音声)とキャプションテキストの表示モードを設定 / 登録
(テキストなし、音声あり / テキストあり、音声あり / テキストあり、音声なし)
37
オプション
cmi.interactions._children
LMSがサポートするcmi.interactions要素のリストを取得する
38
オプション
cmi.interactions._count
LMSが保持している現在の設問の数を取得する
39
オプション
cmi.interactions.n.id
n番目の設問に識別子(ID)を設定
40
オプション
cmi.interactions.n.objectives._count
n番目の学習目標に存在する設問の数を取得する
41
オプション
cmi.interactions.n.objectives.m.id
n番目の学習目標内のm番目の設問に識別子を設定
42
オプション
cmi.interactions.n.time
n番目の設問を解答した時刻を設定
43
オプション
cmi.interactions.n.type
n番目の設問の形式を設定 true-false(真偽)、choice(多肢選択)、fill-in(穴埋め)
long-fill-in(長文入力)、matching(一致)、performance(行動手順)
sequencing(順序)、likert(調査【そう思う・やや思う、思わない】)、numeric(数値)、other(その他)
44
オプション
cmi.interactions.n.correct_responses._count
n番目の設問の正答数を取得する
45
オプション
cmi.interactions.n.correct_responses.m.pattern
n番目の設問に正答を設定
46
オプション
cmi.interactions.n.weighting
n番目の設問に配点(重み付け)を設定
47
オプション
cmi.interactions.n.student_response
n番目の設問に対する学習者の解答を登録
48
オプション
cmi.interactions.n.result
n番目の設問の正誤結果 correct(正しい)、wrong(誤り)、unanticipated(予期しない)、neutral(どっちつかず)、x.x(CMIDecimal)
49
オプション
cmi.interactions.n.latency
n番目の設問の解答開始から終了までに要した時間を登録

SCORM1.2に対応しているLMSは、LMS-RTE3またはLMS-RTE2が多いと思います。No19のcmi.comments_from_lmsは、目的がはっきりしないため、LMSは意味のない空文字を返すことで、「とりあえず要素を実装」してLMS-RTE3の条件を満たしているように見えます。そのため、実装してないLMSは、ほかの要素を実装していてもテスト要件上、LMS-RTE2となります。