SCORMとは

LMSを利用する機会があったら、そのシステムがSCORMに対応しているか一度確認してみるといいでしょう。そこでSCORMを利用すべきかどうか、検討することをおすすめいたします。

SCORM(Sharable Content Object Reference Model)とは、さまざまなLMSに同一の学習コンテンツを動作させるための国際標準規格です。


どいういうこと?

たとえば、LMSをパソコンのOSに例えて考えてみましょう。OSには、Windows、MacOSなどあります。学習コンテンツは、OS上に動作するアプリケーションだと考えてください。

通常、Windows用に作られたアプリケーションは、Windowsでしか動作しません。ソフトウェアメーカーは、Windows、MacOS上で動かしたい場合、それぞれのOS専用に作り、Windowsアプリケーションは、MacOSにインストールすることはできません。これは、LMSでも同じことがいえます。A社 LMS用に作られた学習コンテンツは、B社、C社のLMSでは基本的に動作しません。

昔のLMS(いまでもありますが)、独自の教材仕様を持っているところが多くありました。そのためLMS依存のような状況が発生し、困ったことがでてきました。

  • LMSの運用現場では、別のLMSに変更することは学習コンテンツを作り直さないといけない。
  • 教材販売を行うコンテンツ屋さんは、複数のLMS用にコンテンツを作る必要があり、負担が大きい。
  • LMSベンダーも自分のLMSで動く教材を増やすためには、コストをかけないと増えていかない

どうすればいい?

パソコンでも、1つのアプリケーションを複数のOS上で動作させることは、実は可能です。JavaやFlashなどがそうです。これらは、OSとアプリケーションの中間に入ってOS依存をなくすものです。LMSの場合は、SCORMがその役割を果たします。SCORMは、LMSとコンテンツの間に入りフレームワークとして機能します。SCORMに対応した学習コンテンツを作ることでLMS依存を無くすことができます。当然、LMSもSCORMに対応している必要があります。

このように、複数のLMS間で共通のコンテンツを動かすことができることを、相互運用性と言います。SCORMを知るうえで、まず一番に知って欲しい重要な事項になります。