LMSにおける動的コンテンツと静的コンテンツの違い

LMSの学習コンテンツは、動的コンテンツと静的コンテンツの2種類があります。このコンテンツの違いについて考えてみましょう。

動的コンテンツとは

動的コンテンツとは、PHPなどサーバーサイドのプログラムを用いて、学習者が学習ページを表示するさい、プログラムによって適宜、学習ページを生成して表示するものです。そのため、学習ページが100ページあっても実体となるページは1ページで、コンテンツそのものは、データベースなどに格納されています。テンプレートは、共通の画面、機能を担う部分で、データベースからの情報が学習ページのユニークな部分になります。

この形式は、サーバーサイドのオンラインテストで、よく利用されていてテスト問題などの情報がデータベースに格納され、択一などテストの出題形式・画面レイアウトなどがテンプレートとして機能します。

静的コンテンツとは

サーバーサイドのプログラムによって学習ページの自動生成を行わないものです。ホームページ作成ソフトなどを用いて、必要な画面数分のページを作る必要があります。100ページ必要なら100ページ分のHTMLファイルが必要になります。


SCORMは静的コンテンツ

SCORMの学習コンテンツは、静的コンテンツに分類されますが、ベンダーなどが提供する教材作成ツールを利用することで自動的にFlash形式などページを生成してくれるものがあります。またSCORM形式でコンテンツ出力するツールがLMSに組み込まれているものもあります。

どちらがいいかはケースバイケース

動的コンテンツは、非SCORMであり標準規格のようなものはありません。そのため、LMSが独自に動的機能を実装することになるため、ベンダーロックインが掛かります(つまり他のLMSに作った物を移行できないデメリット)。しかし、動的機能は、静的コンテンツと比べて、大きなメリットがあります。それはコースウェアに対して、統制された管理が行えることです。

コースウェアの制作を外注されるとき、意外と画面の見栄えの指示はなかったりします。制作会社が思い思いに作ると、コースウェアごと(制作会社ごと)に、画面レイアウトや、文字の大きさなどが、バラバラになる可能性があります。1つのコースウェアとしてみれば問題なくとも、全体を見渡すと統一感のないものになります。

また、LMSがいくらスマートフォンやケータイに対応しても、肝心な学習コンテンツが対応していなければ、意味はないでしょう。各デバイス用にLMSがコンテンツを自動生成してくれると便利かもしれません。

あと一点、気をつけたいところは、静的コンテンツのオンラインテストを作成する場合、解答データはクライアント側が持つケースがあることです。Flashで作成するなど、解答データは、目に触れにくくする必要があります。少なくとも、ブラウザの右クリックでHTMLを表示したら問題の答えが丸見えなんてことは避けたいところです。

ページ生成の違い

MovableTypeやWordPressといったブログシステムは、サーバー側のプログラムによって記事本体、ブログテンプレート、カレンダーなどが自動的に結合され、1つのページとして表示されます。

一方、SCORMの学習コンテンツは、フレーム分割・インラインフレームを利用するなど、LMSの動的生成部分とは別に独立した状態で表示されます。