LMSは、コースウェアとしてSCORMのコンテンツを表示することができますが、LMSのブラウザ上にコースウェアをどのように表示するかといったことは、SCORMの仕様書では決まっていません。
例えば、コースウェアを同一ウインドウに表示するのか、別ウインドウで表示するのか、そのときのウインドウサイズはどうするか。または、学習履歴を上書きして良いかなど。これらは、LMS側が自由に決めることができます。こうした要件は、コースウェアの管理者が設定を行いますが、設定できる範囲は、LMSによって様々です。ほとんど固定で融通の利かないものもありますが、細かく設定できるものも存在します。
ここでは、次のようなケースを想定してみます。
・ナビゲーションや目次は表示したくない
・コンテンツの画面サイズは640x480で、ブラウザ内で余計な余白は表示させたくない
1つのSCOのみで構成される、コースウェアは、Flashで作られたものが多いと思います。Flashのなかで画面遷移が行われたり、講義動画を配信するものが多いのではないでしょうか。実際、いくつかのLMSで試してみると、画面サイズの指定に難があるようです。IE9を基準にして、ちょっと見てみました。
SCORM Cloud
SCORM Cloudは、ナビゲーションメニューや目次を非表示にすることができます。設定できる範囲は多岐にわたります。ウインドウのサイズの指定を661x490に設定することで、IE9では、ほぼぴったりにうまく表示されました。右、下に1pxの余白がでてしまいましたが、これ以上にするとスクロールバーが表示されあまり良くありません。
Chromeなどほかのブラウザでは、表示領域が変わってしまいました。ブラウザによって挙動が違うようです。
Moodle
Moodleは、「パッケージの表示」で「新しいウィンドウ」に設定することで、コースウェアを別ウインドウに表示することができます。目次となる、コース構造を「無効」にすることで非表示にもできます。
コンテンツの下部の枠線がウインドウ内に収まりませんでしたが、縦幅を広くしてしまうと枠の内部に余白が表示される結果となりました。
Chromeでは、ブラウザでは、表示領域が変わってしまい、スクロールバーが表示される結果となりました。
ILIAS
ILIASも、新しいウィンドウにコンテンツを表示する設定があり、幅、高さを設定することができます。
ILIASでは、1つの項目の場合、目次は表示されないようになっているようです。いい感じに表示されました。
Chromeで見てみると、サイズが変わってしまいスクロールバーが表示されてしまいました。
このように、いくつかのLMSを見てみましたが、設定できるパラメーターもLMSごとに違いがあり、比較的、別ウインドウに表示したり、ウインドウサイズの設定は、どれも対応していますが、サイズ設定は、ブラウザによって挙動がだいぶ違っていました。
1つ言える事は、ブラウザの縦横のサイズに合わせると、コンテンツの表示領域が、ブラウザによって違いがでてくるので、厳密に設定するには、ブラウザごとに振り分けが必要になってくると思います。また、挙動そのものがちょっと怪しいものもあり、ブラウザのウインドウサイズ指定は、避けたほうが良さそうです。